現代では、睡眠の大切さや、正しい睡眠習慣がメンタルヘルスに与える影響に注目が集まっています。最近の研究では、驚くべき結果が報告されました。なんと、1日に8時間以上眠る人は、それ未満の人に比べてうつ病を発症するリスクが約2倍になるというのです。 この研究を行ったのは、アメリカのカリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)の神経学教授、グレゴリー・カーター博士の研究チームです。カーター博士によると、「睡眠時間が長くなるほど、うつ病のリスクが高まる」傾向が見られたそうです。特に女性でその傾向が強く、男性では明確なリスク上昇は確認されませんでした。 この結果からわかるのは、睡眠において大切なのは“時間の長さ”ではなく、“質とリズム”だということです。とくに、毎日同じ時間に寝て、同じ時間に起きるという習慣が、心の健康を守るうえでとても重要です。 この記事では、「寝すぎるとうつ病のリスクが高まるかもしれない」というテーマについて、知っておきたい3つのポイントをご紹介します。
寝すぎは逆効果?
まず1つ目に、過度な睡眠でお悩みの方は、うつ病の発症リスクが高まっている可能性を考える必要があります。最近の研究では、1日に8時間以上眠る人は、それより短い睡眠時間の人に比べて、うつ病を発症するリスクが約2倍になることが明らかになりました。 この結果から、睡眠時間とうつ病のあいだには深い関係があることが分かっており、心の健康を守るためにも、適切な睡眠習慣を整えることの大切さがあらためて示されています。
2つ目に、睡眠時間が長くなる理由のひとつは、成長ホルモンとの関係にあります。過度な睡眠不足は、成長ホルモンの分泌や老化の進行に影響を与えることが知られています。脳下垂体から分泌される成長ホルモンは、年齢を重ねるにつれて少しずつ減っていきます。そのため、十分な睡眠をとって分泌を促すことが大切です。 うまく分泌されない状態が続くと、筋肉量の減少や老化の進行など、健康に影響を及ぼす可能性があります。
3つ目のポイントは、メラトニンの働きについてです。メラトニンは夜になると分泌が増えるホルモンで、眠りのリズムを整える役割を担っています。 睡眠不足が続くと、メラトニンが最も活発に分泌される時間帯に眠れず、日中の眠気や集中力の低下、無気力感といった不調が起こりやすくなります。 この研究は、質の良い睡眠習慣の大切さを改めて示しています。特に、毎日同じ時間に寝て起きることがとても重要です。 また、寝る前のスマートフォン使用を控えるなど環境を整え、ストレスを上手にコントロールすることも欠かせません。 こうした習慣を続けることで、うつのリスクを減らし、心身ともに健やかな毎日を過ごすことができるでしょう。
非定型うつ病とは?

非定型うつ病は、「季節性情動障害(SAD:Seasonal Affective Disorder)」の一種です。これは、特定の季節に気分の落ち込みやエネルギーの低下といった症状が現れる精神的な不調のことを指します。主に秋から冬にかけて症状が現れ、春や夏には回復または軽減されるという特徴があります。このように、季節の変化と抑うつ症状が深く関係している点が、非定型うつ病の大きな特徴の一つです。
非定型うつ病の患者は、睡眠障害を抱えることがあります。主な睡眠に関する症状としては、過眠(ハイパーソムニア)や睡眠中の質的な障害が挙げられます。また、睡眠と感情の相互作用も非常に重要です。抑うつ状態になると睡眠の質が下がりやすく、さらに眠れないことが気分の落ち込みを深めてしまうという悪循環に陥ることがあります。 では、このような睡眠の問題をどのように改善できるのでしょうか。
たとえば、朝に自然光を浴びることや、毎日同じ時間に寝起きするなど生活リズムを整えること、軽い運動を取り入れること、そして睡眠環境を見直す(いわゆる“スリープハイジーン”を整える)ことが効果的です。 現代では慢性的な睡眠不足に悩む人が多く、質の良い睡眠習慣を身につけることは、心の健康を保つうえでも欠かせないポイントといえるでしょう。

健やかな睡眠習慣を意識しながら、自分の状態に合ったペースで心と体を整えていくことが、非定型うつを含むメンタルの不調を防ぐうえでとても大切です。 うつや睡眠障害を予防・改善するためには、日々の生活の中で睡眠リズムを整え、無理のない範囲で続けることがポイントです。 正しい睡眠習慣をサポートしてくれるツールとして、ナイトリーの活用もおすすめです。 睡眠についてもっと深く知りたい方は、ぜひナイトリーをチェックしてみてください。
