Main image

寝すぎはうつ病のサイン? ― 非定型うつ病について知ろう

2 min

現代社会において、睡眠の重要性や正しい睡眠習慣を身につけることが、メンタルヘルスに与える影響がますます注目されています。

最近の研究では、この点に関して新たな知見が示されています。

なんと、1日に8時間以上睡眠をとる人は、それ未満の人に比べてうつ病を発症するリスクが2倍に高まるという事実が明らかになりました。

今回の研究は、アメリカ・カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)の神経学教授、グレゴリー・カーター博士の研究チームによって行われました。

カーター博士は、「睡眠時間が長くなるほど、うつ病のリスクが高まる」とし、こうした結果を導き出しました。

特に、女性においてその傾向がより顕著であった一方、男性では有意なリスクの上昇は確認されませんでした。

今回の研究からわかるように、睡眠の重要性は単に“長さ”を重視するのではなく、適切な睡眠習慣を形成することにあります。

中でも、毎日決まった時間に寝て、決まった時間に起きることが非常に大切な習慣のひとつです。

今回は、「寝すぎるとうつ病になるかもしれない」ことについて、知っておきたい3つのポイントをご紹介します。

まず1つ目に、「寝すぎてしまうんです!」とお悩みの方は、うつ病の発症リスクが高まっている可能性を考える必要があります。

最近の研究によれば、1日に8時間以上眠る人は、それ以下の人に比べて、うつ病を発症するリスクが2倍にのぼることが明らかになりました。

この結果は、睡眠量とうつ病との間に密接な関連性があることを示しており、メンタルヘルスのためにも正しい睡眠習慣を整えることの重要性を強調しています。

2つ目に、睡眠時間が長くなる理由のひとつは、成長ホルモンとの関係にあります。

過度な睡眠不足は、成長ホルモンの分泌や老化の進行に影響を与えることが知られています。

脳下垂体から分泌される成長ホルモンは、加齢とともに減少していきますが、十分な睡眠をとることでその分泌を補うことが重要です。

これがうまくいかないと、筋肉量の減少や老化の加速といった健康上の問題が生じる可能性があります。

3つ目に、メラトニンの役割についてです。

メラトニンは主に夜間に分泌されるホルモンで、睡眠と深い関係があります。

十分な睡眠がとれない場合、メラトニンが最も活発に分泌される時間帯に眠ることができず、その結果、日中の眠気や活動量の低下、無気力感といった問題が引き起こされることがあります。

この研究結果は、正しい睡眠習慣の重要性を改めて強調しています。

特に、毎日決まった時間に就寝し、起床することが必要不可欠です。

また、スマートフォンの使用を控えるなど、睡眠環境を整えることに加え、ストレスの管理も非常に重要です。

こうした習慣を身につけることで、うつ病の発症リスクを下げ、健康で活力ある生活を送ることができるようになります。

非定型うつ病を正しく理解しよう

眠っている鬱病患者の図


非定型うつ病は、「季節性情動障害(SAD:Seasonal Affective Disorder)」の一種です。

これは、特定の季節に気分の落ち込みやエネルギーの低下といった症状が現れる精神的な不調のことを指します。

主に秋から冬にかけて症状が現れ、春や夏には回復または軽減されるという特徴があります。

このように、季節の変化と抑うつ症状が深く関係している点が、非定型うつ病の大きな特徴の一つです。

非定型うつ病の患者は、睡眠障害を抱えることがあります。

主な睡眠に関する症状としては、過眠(ハイパーソムニア)や睡眠中の質的な障害が挙げられます。

また、睡眠と感情の相互作用も非常に重要です。

抑うつ感情は睡眠の質を低下させることがあり、逆に質の悪い睡眠は気分の落ち込みをさらに悪化させるという悪循環に陥ることもあります。

非定型うつ病における睡眠関連の問題を管理するには、さまざまな対策が効果的です。

たとえば、自然光を意識的に取り入れること、規則正しい生活リズムの維持、定期的な運動、そして睡眠衛生(スリープハイジーン)を整えることなどが挙げられます。

また、現代社会では睡眠不足が非常に一般的な問題となっており、正しい睡眠習慣を身につけることは、メンタルヘルスを守るための重要な要素とされています。

非定型うつを抱える人が、睡眠習慣を整えることで少しずつ笑顔を取り戻していく様子


結論として、健やかな睡眠習慣と非定型うつ病との相互関係を意識しながら、各自が自分の状況に合った調整とケアを行うことが、健康的な生活を送るうえでとても大切です。

また、うつ病や睡眠障害を予防・改善するためには、日ごろから正しい睡眠習慣を意識して管理することが欠かせません。

正しい睡眠習慣を身につけるサポートとして、ナイトリーのご利用をおすすめします。

睡眠に関してもっと知りたい方は、ぜひナイトリーをチェックしてみてください!

テーマ
参照
      Fava, M., McCall, W. V., Krystal, A., Wessel, T., Rubens, R., Caron, J., ... & Rosenbaum, J. (2011). Eszopiclone co-administered with fluoxetine in patients with insomnia coexisting with major depressive disorder. Biological Psychiatry, 69(6), 591-598.
      Ford, D. E., & Kamerow, D. B. (1989). Epidemiologic study of sleep disturbances and psychiatric disorders: An opportunity for prevention? JAMA, 262(11), 1479-1484.
      Grandner, M. A., Jackson, N., Gerstner, J. R., & Knutson, K. L. (2014). Sleep symptoms associated with intake of specific dietary nutrients. Journal of Sleep Research, 23(1), 22-34.
      Irwin, M. (2019). Sleep and inflammation: Partners in sickness and in health. Nature Reviews Immunology, 19(11), 702-715.
      Irwin, M. R., & Cole, J. C. (2011). Reciprocal regulation of the neural and innate immune systems. Nature Reviews Immunology, 11(9), 625-632.
      Jansson-Frojmark, M., Linton, S. J., Flink, I. K., Granberg, S., & Runeson, B. (2010). The prospective relationship between nocturnal micturition and insomnia: The HUNT study. Sleep Medicine, 11(9), 888-889.
この熟睡レターがお役に立てましたか?