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自然のちからで、心も体もすっと眠る夜へ

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ストレスの多い一日を終えた夜こそ、しっかり眠って心と体を休ませることが大切です。そんな時は、自然の力を少し取り入れてみましょう。 ラベンダーのやさしい香りや、カモミールティーのほっとする一杯など、自然の恵みを活かした睡眠サポートは、眠りの質を高める助けになります。 こうした方法は、深い眠りへと導くだけでなく、心と体を落ち着かせ、穏やかな安らぎを育むきっかけにもなります。


8つの自然な方法でスムーズに入眠する

1. メラトニン

メラトニンは、脳の松果体から分泌されるホルモンで、体内時計を整え、睡眠と覚醒のリズムを調整する大切な役割を担っています。サプリメントとしては、不眠症や時差ぼけなど、さまざまな睡眠トラブルの改善に広く使われています。体内のメラトニンが不足しているときには、脳や体に「もう眠る時間だ」と知らせる働きをするのが特徴です。短期間の使用であれば安全性が高く、シフト勤務などで生活リズムが乱れやすい人にも効果が期待されています。


2. バレリアンルート

バレリアンルート(セイヨウカノコソウの根)は、何世紀にもわたって不眠症などの睡眠障害の改善に用いられてきた代表的なハーブです。脳内のガンマアミノ酪酸(GABA)という神経伝達物質の量を増やすことで、リラックスを促し、不安感を和らげる作用があると考えられています。お茶やカプセル、エキスの形で摂取されることが多く、処方薬ではなく自然な方法で眠りをサポートしたい方に人気があります。一般的には安全とされていますが、人によってはめまいや頭痛などの副作用が出ることもあります。


3. カモミール

ナチュラルな睡眠サポートでぐっすり眠る様子


カモミールは、リラックスを促し、睡眠の質を高める目的で広く知られているハーブティーです。カモミールにはアピゲニンなどの抗酸化物質が含まれており、これらが脳内の受容体に作用して不安をやわらげ、自然な眠りを促すといわれています。軽い睡眠の悩みや緊張の緩和にも役立ち、就寝前にカモミールティーを飲むことで心が落ち着き、穏やかに眠りにつけると感じる人も多いです。カモミールは、ハーブティーだけでなく抽出液やサプリメントとしても取り入れることができます。


4. マグネシウム

マグネシウムは、筋肉の緊張をゆるめたり、ストレスをやわらげたりと、体のさまざまな働きを支える大切なミネラルです。これらの作用は、質の良い睡眠にも深く関係しています。さらに、マグネシウムはメラトニンの分泌を助け、脳をリラックスさせるGABA受容体にも作用するといわれています。体内のマグネシウムが不足すると、眠りが浅くなったり、落ち着かない夜を過ごす原因になることもあります。サプリメントで補うほか、ナッツ類や葉物野菜、全粒穀物などマグネシウムを多く含む食品を意識的に摂ることで、睡眠の質を整える助けになります。


5. タルトチェリージュース

より良い睡眠のために夜にタルトチェリージュースを飲んでいる様子


タルトチェリージュースはあまり知られていませんが、メラトニンを豊富に含むことから、自然な睡眠サポートとして注目されています。研究では、タルトチェリージュースを摂取することで睡眠時間や睡眠の質が向上することが報告されており、不眠に悩む人にとって有効な手助けとなる可能性があります。 さらに、タルトチェリーにはアントシアニンなどの抗酸化物質が含まれており、炎症や酸化ストレスを軽減することで体の回復を助け、健康的な睡眠をサポートします。特に就寝前にタルトチェリージュースを取り入れることで、より穏やかで深い眠りを促す効果が期待できます。


6. パッションフラワー

パッションフラワーは、不安や不眠の緩和に古くから使われてきたハーブの睡眠サポートです。バレリアンルートと同様に、脳内のGABAの量を増やし、心を落ち着かせることで入眠を助ける作用があります。お茶やチンキ、サプリメントとして利用できます。パッションフラワーを摂取している人の多くは、寝る前にリラックスでき、不安感が軽減されると感じており、その結果としてより深い睡眠を得られることがあります。一般的には安全とされていますが、人によってはめまいや胃の不快感などの軽い副作用が出ることもあります。


7. カンナビジオール(CBD)

CBDは、麻(カンナビス)から抽出される天然成分で、自然な睡眠サポートとして近年注目を集めています。THCのような精神作用はなく、意識が高揚したり酩酊したりすることはありません。その代わりに、心を落ち着かせたり、不安をやわらげたりする作用があり、睡眠の質を改善する効果が期待されています。不眠やストレスによる睡眠の乱れに悩む人の中には、CBDを取り入れることでリラックスし、眠りにつきやすくなったと感じる人も多いです。オイルやカプセル、グミなど、ライフスタイルに合わせて選べるさまざまな形で利用できます。CBDに関する研究はまだ進行中ですが、これまでの調査や利用者の報告から、安全性が高く、睡眠の改善に役立つ可能性が示されています。


8. バレリアン

バレリアン(セイヨウカノコソウ)は、以前ご紹介した「バレリアンルート」としても知られていますが、その効果の幅広さから改めて注目されています。単独で使われることもありますが、ホップやレモンバームなどのハーブと組み合わせて使うことで、より深いリラックス効果が期待できます。特にストレスや不安で寝つきにくい人に向いており、自然に心を落ち着かせてくれるハーブです。少し独特な香りがありますが、多くの人が「睡眠の質が良くなった」と実感しており、この香りも慣れると心地よく感じられることが多いようです。

自宅でできる、早く眠るコツ

ディフューザーを背景に、あたたかい飲み物を静かに楽しんでいる姿


1. 温かいミルク

寝る前に温かいミルクを飲むのは、昔から親しまれている定番の睡眠法です。ミルクに含まれるアミノ酸「トリプトファン」には、脳内でセロトニンを増やし、心を落ち着かせてリラックスさせる働きがあります。また、温かい飲み物のぬくもりが体をゆるめ、自然と眠気を誘う効果も。シンプルな方法ですが、実際に「ほっとして眠りやすくなった」と感じる人も多いようです。


2. ハーブティー(カモミールやラベンダーなど)

カモミールやラベンダーなどのハーブティーは、リラックス効果が高いことでよく知られています。特にカモミールティーには特定の脳内受容体に結合する抗酸化物質が含まれており、不安を和らげて眠りを促す働きがあります。ラベンダーティーも同様にリラックスを助け、就寝前の気持ちを落ち着かせる効果が期待できます。夜に温かいハーブティーをゆっくり飲むことは、心と体を休息モードに整えるやさしい習慣です。


3. ラベンダーオイルのアロマテラピー

ラベンダーの精油を使ったアロマテラピーは、睡眠の質を高める代表的なホームケアの一つです。ラベンダーの穏やかな香りには、ストレスや不安を軽減し、自然に眠りにつきやすくする効果があることがわかっています。ディフューザーで香りを広げたり、枕に少し垂らしたり、温かいお風呂に数滴加えて使う方法もあります。心を落ち着かせる香りが、リラックスできる空間をつくり、深い眠りへと導いてくれます。


4. 瞑想と深呼吸のエクササイズ

瞑想や深呼吸は、寝る前に頭と心を落ち着かせ、考えごとを静めるシンプルで効果的な方法です。ゆっくりと呼吸に意識を向けたり、マインドフルネスを取り入れたりすることで、ストレスや不安から気持ちを切り離し、自然と眠りに入りやすくなります。深い呼吸は心拍を落ち着かせ、筋肉の緊張をほぐす働きもあり、体に「もう休む時間だ」と伝える合図にもなります。


5. 温かいお風呂やシャワーを浴びる

寝る前に温かいお風呂やシャワーを浴びることは、筋肉をほぐし、睡眠の準備を整える効果的な方法です。体が温まることで、その後の体温の自然な低下が脳に「眠る時間がきた」と伝えるサインになります。さらに、ラベンダーなどのリラックスできる精油やエプソムソルトを加えると、さらにリラックス効果が高まり、ベッドに入ったときに自然と眠りに入りやすくなります。


6. ディフューザーで精油を使う

ラベンダーやカモミール、サンダルウッドなどの精油をディフューザーに入れて香りを広げると、寝室に落ち着いた雰囲気をつくることができます。やさしい香りがリラックスを促し、穏やかな香りが心と体を落ち着かせ、眠る準備を整えてくれます。この自然な睡眠サポートは、就寝前の習慣に取り入れやすく、特に寝る前になかなか気持ちが落ち着かない方におすすめです。

まとめ

温かいハーブティーのリラックス効果や、ラベンダーの香りを取り入れたディフューザーなどを活用すると、心が落ち着き、より心地よい睡眠環境を整えることができます。こうした自然な睡眠サポートを就寝前の習慣に加えることで、ただ眠るだけでなく、心と体が穏やかに休まる時間をつくることができます。 さらに、ナイトリーアプリを組み合わせることで、その体験をより豊かにすることができます。ナイトリーでは、神経科学に基づいたAIが一人ひとりの睡眠リズムや日中の活動データをもとに、最適なモノラルビートを生成。これにより、入眠までの時間が平均18%短縮され、より深く質の高い眠りが得られることが確認されています。ナイトリーと自然なリラックス法を組み合わせれば、心地よい眠りの流れに身を委ねながら、深く穏やかな休息を実感できるでしょう。

テーマ
参照
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