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「睡眠不足で命の危険も?知られざるリスクとは

4 min

工場や建設現場などの重工業の現場では、常に危険と隣り合わせです。ほんの一瞬の気の緩みが命取りになることもあります。必要なのは、冴えた頭と万全の体、そして「今この瞬間」に集中する力です。

けれども、前の晩にしっかり眠れなかったらどうでしょう。目がかすみ、体がふらつき、疲れたまま現場に立つ――。それは単なる不快感ではなく、重大な事故を招くおそれのある危険な状態です。実際、このようなことは世界中の現場で日常的に起きています。 睡眠不足は、集中力や判断力を鈍らせ、複雑で危険を伴う作業を安全にこなす力を確実に奪ってしまいます。ケガや命の危険だけでなく、作業ミスによる損失や生産性の低下にもつながります。脳も体も、十分な休息があってこそ本来の力を発揮できるのです。 睡眠を軽視するのは、燃料がほとんど残っていないエンジンで機械を動かそうとするようなもの。しばらくは動いても、いずれ止まってしまいます。 とはいえ、正しい知識と少しの工夫があれば、健康を守りながら高いパフォーマンスを維持し、安全に働き続けることは十分に可能です。

睡眠不足とは?

職場で眠気と闘う人

睡眠不足は、現代社会で多くの人が抱える身近な問題です。十分に眠れない状態が続くと、単に疲れが残るだけでなく、仕事の効率が落ちたり、集中力が続かなくなったりと、さまざまな影響が出てきます。慢性的な睡眠不足は、疲労の蓄積や生産性の低下に加えて、心身の健康にも悪影響を及ぼすことが知られています。(米国国立心肺血液研究所、2022)。

体が必要とする休息を無理に削り続けると、免疫力の低下や気分の不調を招くだけでなく、長期的には心血管疾患などのリスクを高める可能性もあります。睡眠時間を削ることは、健康や心の安定を犠牲にするほどの価値は決してありません。

睡眠不足の長期的なリスク

たった一晩眠れなかっただけでも、強い疲労感や気分の不安定さを感じることがあります。けれども、十分な休息を取らない状態が長く続くと、その影響はさらに深刻になります。ここでは、慢性的な睡眠不足がもたらす主なリスクについて見ていきましょう。

認知機能の低下と安全性

しっかり眠れない日が続くと、仕事のパフォーマンスが落ちるだけでなく、場合によっては命に関わる危険を招くこともあります。「睡眠はあとでいい」「少しくらい寝なくても大丈夫」と思っている人もいるかもしれませんが、それはとても危険な考え方です。 睡眠不足が続くと、心臓や血管の病気、脳卒中、さらにはがんのリスクまで高まることがわかっています。深刻な寝不足が続けば、命にかかわることさえあります。 一方で、質の良い睡眠をとることで、記憶力や集中力、判断力が高まり、心も体もずっと軽くなります。

“寝ないだけ”で命の危険が…!?

夜、ベッドで眠れずに横たわる人

夜、なかなか寝つけないことはありませんか? 布団に入っても何度も時計を見てしまったり、寝返りを打ちながら落ち着ける姿勢を探したり、頭の中が考えごとでいっぱいになって目が冴えてしまったり…。きっと誰もが一度はそんな夜を過ごしたことがあるでしょう。しっかりとした、翌朝のだるさや重たい気分は、少しずつ積み重なっていきます。

では、睡眠不足が原因で人が亡くなることはあるのでしょうか。答えは、ほとんどの場合「いいえ」です。 睡眠不足や強い疲労は体にさまざまな悪影響を与えますが、それだけで命を落とすことはめったにありません。ごくまれに「致死性家族性不眠症(FFI)」という遺伝性の病気がありますが、これは特殊なケースです。 ただし、もっと現実的で身近な危険があります。それは「事故のリスクが高まること」です。特に、睡眠不足のまま車を運転したり、高い集中力が必要な作業を行ったりするのは非常に危険で、重大な事故を招くおそれがあります。

睡眠不足が命を奪う仕組み

睡眠不足が直接的に命を奪うわけではないのは事実ですが、その潜在的なリスクや影響を理解することはとても重要です。公認心理士で睡眠専門医でもあるシェルビー・ハリス博士によると、睡眠不足は全体的な死亡リスクを高め、命に関わる事態を引き起こす要因になり得ます。すぐに命に危険が及ぶわけではないものの、長期間にわたって睡眠を取らない状態が続くと、慢性的な健康問題を引き起こし、生活の質にも大きな影響を及ぼします。

24時間眠らないとどうなる?

徹夜明けで眠そうにしている人


徹夜をしたことはありますか?勉強や仕事、あるいはなんとなく夜を明かしたことが、一度はあるかもしれません。ですが、その眠れなかった一晩が体にどんな影響を及ぼしているか、意外と知られていません。たった17時間眠らないだけで、判断力や記憶力、そして体の動きをコントロールする力にまで影響が出るといわれています。さらに24時間起き続けると、認知機能は大きく低下し、感情のコントロールも難しくなります。

睡眠不足が続くと、ストレスホルモンが増え、脳の一部が強制的に休もうとする「局所的睡眠」という状態になることがあります。これは、脳の一部分は眠っているのに、ほかの部分は起きて働いているような状態です。 無理を重ねると、次に「マイクロスリープ」と呼ばれる、ほんの15〜30秒ほど意識が途切れる現象が起こることがあります。これは、脳が限界に達しているサインです。たとえ一瞬でも、しっかりとした休息にはならず、むしろ危険を伴います。特に運転中や集中力が必要な作業の最中に起こると、命に関わる重大な事故につながるおそれがあります。自分だけでなく、周囲の安全まで脅かしてしまう非常に危険な状態です。

私たちの体にとって理想的な睡眠時間とは?

睡眠に必要な時間は、年齢などさまざまな要因によって異なります。人によって多少の差はありますが、年齢別のおおまかな目安は以下の通りです。

推奨される睡眠時間

4~12か月

24時間で12~16時間(昼寝を含む)

1~2歳

24時間で11~14時間(昼寝を含む)

3~5歳

24時間で10~13時間(昼寝を含む)

6~12歳

24時間で9~12時間

13~18歳

24時間で8~10時間

成人

夜に7時間以上


快眠のためのヒント

もし十分な休息が取れていないと感じるときは、以下を試してみてください。

快適な睡眠環境を整える

適切な寝室環境を作ることで、睡眠の質が大きく向上します。以下のポイントを意識しましょう。

  1. 部屋を涼しく保つ
  2. 毛布を重ねて調節しやすくする
  3. 快適なマットレスと枕を選ぶ
  4. カーテンや遮光カーテンで光をコントロールする
  5. ホワイトノイズやモノラルビートを活用する
  6. 心地よいシーツや掛け布団に変える

寝室での活動を調整する

寝室は、心と体をゆっくり休めるための場所です。そのため、そこで過ごす時間や行動を少し工夫することが大切です。読書をしたり、パートナーと穏やかな時間を過ごしたり、静かに眠るのは問題ありませんが、スマートフォンを触ったり、仕事をしたり、テレビを見たりすると脳が刺激されてしまい、眠りの質が下がることがあります。できるだけ寝室の外で行うようにしましょう。寝室を「休むための空間」として整えることで、心も体もきちんとリセットされ、翌朝すっきりと目覚められます。

運動を取り入れる

適度な運動は睡眠の質を高めるのに効果的です。ただし寝る直前の激しい運動は、目が冴えてしまう原因になるので気をつけましょう。

一貫性を持つ

週末になると、つい夜更かししたくなるものですよね。「明日は早起きしなくていい」と思って遅くまで起きてしまうこともあるでしょう。 ですが、生活リズムが乱れると、深く眠るのが難しくなってしまいます。体の自然なリズムを保つためには、平日も週末もできるだけ同じ時間に寝て、同じ時間に起きることが大切です。 昼寝をする場合は、夕方よりも早い時間に済ませるようにすると、夜の睡眠にも影響しにくくなります。

まとめ

睡眠は、心と体の健康を保つうえで欠かせない大切な時間です。十分に眠れない状態が続くと、心血管疾患や肥満、糖尿病など、さまざまな健康リスクを高める可能性があります。 一晩眠れなかったからといってすぐに命に関わるわけではありませんが、研究によると、慢性的な睡眠不足は長期的に深刻な影響を及ぼすことがわかっています。 でも、もう眠れない夜に悩む必要はありません。なぜなら、そのためのアプリがあるからです。

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テーマ
参照
      Drshelbyharris
      Why Severe Sleep Deprivation Can be Lethal
      The effects of going more than 24 hours without sleep
      How Sleep Deprivation Affects Your Health
      University taylors, How a lack of sleep can eventually kill you
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