「たくさん寝たはずなのに、なぜかスッキリ起きられないのはなぜだろう?」と感じたことはありませんか?あるいは、目覚ましのスヌーズを何度も止めて、目覚めの悪い朝を過ごすことはありませんか?もし、つい寝過ぎてしまうことがあるなら、同じ悩みを抱えているのはあなただけではありません。寝過ぎは決して珍しい問題ではありませんが、その原因を知ることで、自分に合った対処法を見つけることができます。それでは、寝過ぎてしまう主な10の理由を一緒に見ていきましょう。
もしかして寝過ぎ?意外と知られていない「過眠」とは

寝過ぎとは、推奨されている睡眠時間を大きく超えて眠ってしまう状態のことを指します。一般的に成人の場合、9時間以上の睡眠が続くと「寝過ぎ」に当てはまることがあります。十分な睡眠は健康に欠かせませんが、過剰な睡眠が習慣化している場合、体や心からのサインが隠れている可能性もあります。
寝過ぎの原因はさまざまで、うつや不安障害といった精神的な不調、睡眠時無呼吸症候群などの睡眠障害が関係していることもあります。また、運動不足や食生活の乱れ、不規則な睡眠リズムといった生活習慣も、寝過ぎを引き起こす要因の一つです。
寝過ぎが続くと、起床時のだるさや頭痛を感じやすくなるほか、心疾患や糖尿病、肥満などの慢性的な健康リスクが高まる可能性も指摘されています。さらに、集中力や生産性の低下など、日常生活に影響を及ぼすことも少なくありません。
もし寝過ぎる状態が続いている場合は、生活習慣を見直したり、ストレスを適切に管理したりすることが大切です。それでも改善が見られないときは、深刻な健康問題が隠れていないかを確認するために、医療機関に相談することも検討してみましょう。
寝過ぎてしまう主な原因

寝過ぎてしまう主な原因は、以下の通りです。
1. 睡眠障害(睡眠時無呼吸症候群、ナルコレプシーなど)
睡眠障害は、睡眠の質や睡眠時間に大きな影響を与えます。睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に呼吸が何度も止まったり再開したりする状態で、眠りが浅くなりやすく、日中の強い疲労感につながることがあります。本人は自覚がないまま夜中に何度も目覚めていることが多く、その結果、疲れが取れず、必要以上に長く眠ってしまうことがあります。
また、ナルコレプシーも代表的な睡眠障害の一つで、日中の強い眠気や突然の睡眠発作を引き起こします。ナルコレプシーのある人は、日中に起きていることが難しく、十分に休息を感じるために、より長い睡眠時間を必要とする場合があります。
2. うつ状態・うつ病
うつ状態やうつ病は、睡眠パターンに大きな影響を与えることがあります。うつのある人の中には「過眠」と呼ばれる状態を経験することがあり、必要以上に長く眠ってしまい、「なぜこんなに寝てしまうのだろう」と感じることも少なくありません。うつは強い疲労感や気力の低下を引き起こし、朝起きるのがつらくなったり、その結果として睡眠時間が長くなったりする原因になります。また、睡眠の質そのものが低下することも多く、夜中に何度も目が覚めたり、眠りが浅くなったりすることで、十分に休めた感覚が得られず、さらに多くの睡眠を必要としてしまう場合もあります。
3. 不安
不安は、寝つきを悪くしたり、睡眠を維持しにくくしたりすることで、過眠の原因となることがあります。不安を抱えている人は考え事が頭から離れず、リラックスできないため、なかなか眠りにつけないことがあります。また、いったん眠れても途中で何度も目が覚めたり、眠りが浅くなりがちです。その結果、十分に眠った感覚が得られず、日中も疲労感が残るため、睡眠の質の低さを補おうとして、必要以上に長く眠ってしまうことがあります。
4.筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS)
休んでも取れない強い疲れが続くのが、ME/CFSの大きな特徴です。しっかり眠ったはずなのに回復した感じがなく、寝る前と同じような疲労感のまま目が覚めてしまうことも少なくありません。また、少し体を動かしただけで強いだるさが出る「労作後倦怠感(PEM)」が起こることもあります。こうした慢性的な疲れを少しでも和らげようとして、長く眠るようになることがありますが、睡眠時間を増やしても疲労が改善されるケースは多くありません。
5.睡眠の質が低い状態
寝心地の悪い寝室環境や騒音、強すぎる光、体に合わないマットレスなど、さまざまな要因によって睡眠の質は低下します。睡眠の質が悪いと、体や脳が十分に回復できず、「きちんと休めた」という感覚が得られません。その結果、疲れを取ろうとして、必要以上に長く眠ってしまうことがあります。さらに、就寝前のカフェインやアルコールの摂取といった生活習慣も睡眠を妨げ、過眠の一因となることがあります。

6.不規則な睡眠スケジュール
睡眠時間が不規則だと体内時計が乱れ、安定した睡眠リズムを作りにくくなります。就寝時間や起床時間が日によって大きく変わる生活を続けていると、決まった時間に起きることが難しくなり、結果として寝過ごしてしまうことがあります。シフト勤務や時差のある移動、週末の夜更かしなども、睡眠スケジュールが乱れる原因となります。
7.アルコールや薬物の過剰摂取
アルコールや一部の薬物は、睡眠のリズムを乱し、睡眠の質を低下させることがあります。アルコールは一時的に寝つきを良くするように感じられることもありますが、実際には夜中に何度も目が覚めるなど、途中で覚醒しやすくなります。また、処方薬を含む一部の薬物も睡眠に影響を与え、十分に休めない状態を招くことがあります。その結果、足りない睡眠を補おうとして、体がより長い睡眠時間を求めるようになり、過眠につながることがあります。
8.薬の副作用
一部の薬には、眠気や鎮静作用といった副作用があり、それが過眠につながることがあります。うつ病や不安障害、アレルギー、痛みの治療に使われる薬の中には、副作用として眠気が挙げられているものも少なくありません。こうした薬を服用している人は、日中に強い眠気を感じて起きているのがつらくなり、その影響を和らげようとして、普段より長く眠ってしまうことがあります。
9.運動不足
適度な運動は睡眠リズムを整え、睡眠の質を高める働きがあります。一方で、運動量が少ない生活が続くと、だるさや倦怠感を感じやすくなり、朝起きるのがつらくなったり、睡眠時間が長くなったりすることがあります。身体を動かすことで分泌されるエンドルフィンは、気分やエネルギーを高める効果があり、過剰な睡眠を必要としにくい状態を作る助けになります。
10.食生活の乱れ
食事内容は、エネルギーレベルや睡眠の質に大きく影響します。糖分の多い食品や加工食品を多く摂る食生活は血糖値の変動を招きやすく、だるさや疲労感を感じる原因になります。一方で、栄養バランスの取れた食事は、睡眠の質や日中のエネルギー維持を支えてくれます。栄養不足や偏った食事は過眠の大きな要因となり、全体的な倦怠感が強まることで、「休んだ感覚」を得ようとして、より長く眠ってしまいやすくなります。
何時間から「寝過ぎ」になるの?
必要な睡眠時間には個人差がありますが、成人の場合、毎晩9〜10時間以上の睡眠が続くようであれば、寝過ぎと考えられることがあります。慢性的に寝過ぎている状態は、睡眠障害やメンタルヘルスの不調、その他の健康上の問題が隠れているサインである可能性もあります。心身の健康を保つためには、自分に合った睡眠時間を意識し、バランスの取れた睡眠リズムを維持することが大切です。
まとめ
最後に、寝過ぎていると感じる方は、その背景にどんな理由があるのかを一度振り返ってみましょう。睡眠障害が隠れていないか、気分の落ち込みや不安を抱えていないか、あるいは食生活や運動量に偏りはないでしょうか。こうした要因を理解することで、より良い睡眠や、日中を元気に過ごすための一歩を踏み出しやすくなります。そうした悩みをサポートするのがナイトリーです。ナイトリーを活用しながら、より心地よい眠りを目指してみるのも一つの方法です。
