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睡眠退行とは?乳幼児の睡眠が乱れる理由をわかりやすく解説

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睡眠退行という言葉をご存知ですか。睡眠退行とは、赤ちゃんや幼児の睡眠リズムや行動が一時的に乱れる現象のことを指します。この時期には、夜中に何度も目を覚ましたり、寝つきが悪くなったりすることがあり、子どもだけでなく、育てている保護者にとっても睡眠不足につながる場合があります。とは、赤ちゃんや幼児の睡眠リズムや行動が一時的に乱れる現象のことを指します。この時期には、夜中に何度も目を覚ましたり、寝つきが悪くなったりすることがあり、子どもだけでなく、育てている保護者にとっても睡眠不足につながる場合があります。こうした睡眠の乱れは、子どもが次の成長段階へ進むタイミングなど、発達の変化が大きい時期に起こりやすいものです。睡眠退行に振り回されすぎないためにも、眠りが不安定になる理由を知っておくことが役立ちます。

最近の研究では、幼い子どもの睡眠にはさまざまな要素が関わっていることが分かってきています。子どもの認知の発達状況をはじめ、寝室の環境や親の関わり方など、生理的・心理的・環境的な要因が重なって、睡眠の状態に影響を与えていると考えられています。子どもの成長や発達において、睡眠は非常に重要な役割を果たします。そのため、発達の移行期に生じやすい睡眠の乱れについて、その要因を把握することは、保護者や養育者、医療従事者にとって欠かせない視点となります。

7睡眠退行の7つの段階

穏やかに眠る赤ちゃん


睡眠退行は一つの時期だけでなく、いくつかの段階に分けて見られることがあります。多くの場合、特定の月齢や成長の節目と重なって起こるのが特徴です。

新生児期の睡眠退行

新生児は1日におよそ16〜17時間眠りますが、睡眠のリズムはまだ不規則です。生後4か月ごろになると、少しずつ眠りのパターンが整い始めますが、その過程で「睡眠退行」と呼ばれる変化が見られることがあります。この時期には、夜中に何度も目を覚ましたり、寝かしつけに時間がかかったりすることがあります。

生後4か月の睡眠退行

生後4か月の睡眠退行は、赤ちゃんの睡眠が大きく変化する節目のひとつです。この時期には、これまで不規則だった新生児期の眠りから、大人に近い睡眠サイクルへと移行していきます。その影響で、夜中に目を覚ます回数が増えたり、寝つきにくくなったりすることがあります。結果として、赤ちゃんだけでなく、保護者も睡眠不足を感じやすくなる時期です。

生後6か月の睡眠退行

生後6か月ごろは、睡眠のリズムが一時的に乱れやすい時期のひとつです。この頃の赤ちゃんは周囲への関心が高まり、昼寝や寝かしつけの際に気が散りやすくなります。また、人との関わりをより強く意識するようになるため、親や保護者の存在を求めて、そばにいないと安心して眠れないことも増えてきます。

生後8か月の睡眠退行

生後8か月ごろの睡眠の乱れも、赤ちゃんの成長過程でとても重要な時期のひとつです。この時期は、ハイハイを始めたり、つかまり立ちをしたり、歯が生え始めたりといった大きな成長と重なりやすく、その影響で睡眠が不安定になることがあります。夜中に目を覚ます回数が増えたり、一度起きるとなかなか寝直せなかったりする様子が見られることもあります。

生後10か月の睡眠退行

生後10か月ごろは、赤ちゃんにとって最後の大きな睡眠の変化が起こりやすい時期といわれています。この頃になると、夜中に突然目を覚まして泣いてしまったり、不安そうな様子を見せることがあります。また、親や保護者の存在をより強く求めるようになり、そばにいないと落ち着かず、寝つくまでに時間がかかることもあります。

生後12か月の睡眠退行

生後12か月ごろになると、睡眠のリズムが一時的に崩れやすくなることがあります。この時期は、お昼寝の回数が1日2回から1回へと変わっていくタイミングと重なりやすく、その影響で夜の寝つきが悪くなったり、朝早く目が覚めてしまったりすることがあります。

2歳ごろに見られる睡眠の乱れ

2歳前後になると、睡眠のリズムが一時的に乱れやすくなることがあります。この頃は「自分でやりたい」という気持ちが強くなり、寝ること自体に抵抗を示すようになることもあります。その影響で、寝つくまでに時間がかかったり、夜中に何度も目を覚ましてしまったりすることがあります。

乳幼児の睡眠サイクルと睡眠パターン

睡眠のサイクルと睡眠段階

乳幼児の睡眠には、成長や発達を支える大切なリズムがあります。睡眠は大きく「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」の2つに分かれています。乳児期は、脳の発達に重要なレム睡眠の割合が多く、成長とともに、体を休めて成長を促すノンレム睡眠の時間が少しずつ増えていくといわれています(Bathory & Tomopoulos, 2017)。

総睡眠時間

乳児は1日におよそ14〜17時間の睡眠が必要とされており、幼児になると、お昼寝を含めて11〜14時間ほどが目安とされています(Mindell & Williamson, 2018)。ただし、必要な睡眠時間には個人差があり、年齢やその子の様子によって前後することもあります。

起きている時間とお昼寝のリズム

乳幼児は夜中に何度か目を覚ますことがありますが、その回数は成長とともに少しずつ減っていきます(Galland & Taylor, 2016)。また、お昼寝も睡眠リズムの大切な一部で、乳児期は1日に何回かお昼寝をし、成長するにつれて、幼児期には1日1回のお昼寝へと移行していきます(Bathory & Tomopoulos, 2017)。

発達の節目にともなう睡眠リズムの変化

歯の生え始めで眠れない赤ちゃん


乳幼児期は、心と体が大きく成長する中で、睡眠のとり方も大きく変化していく時期です。このセクションでは、歯が生え始める時期や急な成長、認知の発達といった節目が、睡眠のリズムや眠りの深さにどのように影響するのかを紹介します。

歯の生え始め

歯が生え始める時期は、不快感や痛みを感じやすく、その影響で睡眠のリズムが乱れることがあります。夜中に目を覚ます回数が増えたり、寝つきが悪くなったりすることもあります(Santana-Mora et al., 2019)。

成長期

成長が著しい時期には、赤ちゃんは必要とする栄養量が増え、授乳の頻度が高くなることがあります。その結果、睡眠のリズムに変化が生じる場合があります(Friedman & Zeichner, 2017)。

認知の発達にともなう変化

認知の発達が大きく進む時期には、睡眠にも変化が現れることがあります。その影響で、乳幼児の睡眠リズムや寝かしつけの流れが一時的に変わることがあります。

成長や発達の変化が睡眠の質や睡眠時間に与える影響

成長や発達の変化は、乳幼児の睡眠の質や睡眠時間に大きく影響することがあり、その結果、睡眠が浅くなったり、夜中に目を覚ましたり、朝早く起きてしまったりすることがあります。

睡眠の分断(途中覚醒)

睡眠の分断とは、乳幼児が夜の間に何度も目を覚ます状態を指します。その結果、総睡眠時間が短くなり、睡眠の質も低下しやすくなります。

夜間覚醒

発達の節目の時期には、夜中に目を覚ますことが増えやすく、睡眠のリズムが崩れがちになります。こうした変化は子どもだけでなく、世話をする人の睡眠にも影響するため、無理のない形で整えていくことが大切です(Santana-Mora et al., 2019)。

早朝覚醒

成長や発達の影響で、乳幼児が普段より早く目を覚ますようになることもあります。睡眠時間が足りないと、日中に機嫌が悪くなったり、落ち着きがなくなったりするため、生活リズムや寝かしつけのタイミングを調整することが必要になる場合もあります(Friedman & Zeichner, 2017)。

乳幼児における睡眠の調整機能

睡眠を調整する神経生物学的な仕組みは、乳児と成人では大きく異なります(Mirmiran et al., 2003)。乳児の睡眠は1回あたりのサイクルが短く、ノンレム睡眠に比べてレム睡眠の割合が高いことが特徴です(Mirmiran et al., 2003)。

成長とともに、体の回復や成長に関わるノンレム睡眠の割合が増え、レム睡眠の頻度は次第に減少していきます。こうした変化には、体内時計をつかさどる視交叉上核をはじめ、睡眠調節に関与する脳の各部位が成熟していくことが深く関わっています。

睡眠の調整や乱れに関わる神経伝達物質の役割

Frank(2017)によると、セロトニンやドーパミン、アセチルコリンといった神経伝達物質は、睡眠を調整するうえで重要な働きをしています。セロトニンは主にノンレム睡眠を支える役割を持ち、ドーパミンは覚醒状態を保つことに関わっています。また、アセチルコリンはレム睡眠とノンレム睡眠の両方に関与しており、特にレム睡眠中にその働きが高まるとされています。こうした神経伝達物質のバランスが崩れると、睡眠の質が低下し、不眠症やナルコレプシー、むずむず脚症候群などの睡眠トラブルが起こりやすくなると考えられています。

睡眠の調整や乱れに関わるホルモンの役割

研究では、睡眠はコルチゾールやメラトニン、成長ホルモンといった複数のホルモンによって調整されていることが示されています(Frank, 2017)。コルチゾールは朝に分泌量が最も高く、日中にかけて徐々に下がることで、私たちを目覚めた状態へと導きます。一方で、メラトニンは夜になると分泌が高まり、自然な眠気を促します。さらに、成長ホルモンは体の成長や回復に欠かせない存在で、主に深い睡眠の最中に分泌されることが知られています。このようなホルモンのバランスが崩れると、睡眠の質に影響が出やすくなり、不眠症や睡眠時無呼吸症候群、過眠症などの睡眠トラブルにつながることがあります。

睡眠の質に影響を与える要因

乳幼児にとって睡眠の質は、心身の成長や発達に欠かせない重要な要素です。健やかな睡眠リズムを保つためには、適切な睡眠環境を整えることが大切であり、光の強さや周囲の音、室温といった要因が睡眠の質に大きく影響します。

1. 光が睡眠の質に与える影響

夜間に強い光を浴びると、乳幼児は寝つきにくくなったり、睡眠時間が短くなったり、夜中に目を覚ます回数が増えたりする傾向があることが報告されています(Mindell, Sadeh, Wiegand, How, & Goh, 2010)。また、ブルーライトを発する電子機器の使用も、子どもの睡眠の質に悪い影響を与える可能性があると指摘されています(Cheung et al., 2017)。

2. 音が睡眠の質に与える影響

研究によると、乳児は大人よりも音に敏感であることが示されています。周囲の音は寝つきを妨げたり、夜中に目を覚ますきっかけになったりすることがあり、その影響で睡眠が断続的になり、睡眠の質が低下しやすくなります。

3. 室温が睡眠の質に与える影響

室温も、乳幼児にとって快適な睡眠環境を整えるうえで重要な要素のひとつです。乳幼児は大人に比べて気温の変化に敏感なため、心地よく過ごせる環境が求められます。研究では、18〜21℃(65〜70°F)程度の室温が、睡眠に適した環境であるとされています。

4. 育児の関わり方が睡眠に与える影響

育児における関わり方は、乳幼児の睡眠の質を左右する重要な要素です。たとえば、添い寝の有無、就寝前の過ごし方、授乳や食事の時間帯などは、睡眠に影響を与えることが知られています。研究では、添い寝が睡眠の乱れにつながり、睡眠の質を低下させる可能性があることが示されています(Mindell, Sadeh, Kohyama, & How, 2010)。一方で、毎晩決まった流れで行う就寝前の習慣や、安定した授乳・食事のスケジュールは、乳幼児の睡眠をより整え、質の向上につながると報告されています(Mindell, Telofski, Weigand, & Kurtz, 2009)。

睡眠の乱れに影響する行動的要因の役割

睡眠退行についての基礎知識


Behavioral factors such as bedtime routines and sleep associations can significantly impact sleep quality in infants and toddlers.

1. 就寝前の習慣

毎日同じ流れで寝かしつけを行うことは、乳幼児が無理なく眠りにつくための土台づくりにつながります。入浴や絵本の読み聞かせ、静かな音楽などを組み合わせた習慣は、子どもに「眠る時間が近づいている」ことを自然に伝え、気持ちを落ち着かせる助けになります(Mindell & Williamson, 2018)。

2. 入眠時の習慣(寝かしつけとの関係)

入眠時の習慣とは、子どもが眠りにつく際に安心感を得るために結びついている行動や物を指します。たとえば、お気に入りの毛布や、抱っこや揺らしによる寝かしつけなどが挙げられます。これらは子どもを落ち着かせる役割を果たしますが、過度に依存すると、それがないと眠りにくくなる場合もあります。入眠時の習慣への依存を段階的に和らげていくことで、乳幼児が自分で気持ちを整え、自然に眠りにつく力を育てることにつながると考えられています(Mindell & Williamson, 2018)。

3. 育児スタイル

育児スタイルの違いは、子どもの睡眠の質にも影響を及ぼすことがあります。たとえば、厳しいルールや罰を重視する権威主義的な育児は、子どもにストレスを与えやすく、その結果、睡眠に悪影響を及ぼす可能性があると報告されています(Jiang et al., 2019)。一方で、温かさや支援を大切にする権威的(オーソラティブ)な育児スタイルは、安定した睡眠習慣を育み、睡眠の乱れを軽減することにつながるとされています(Jiang et al., 2019)。

4. 睡眠トレーニングの方法

睡眠トレーニングとは、親の手助けがなくても子ども自身が眠りにつけるようになることを目的とした関わり方を指します。代表的な方法には、寝かしつけの際の声かけや介入を少しずつ減らしていく「段階的消去法」や、ベッドに入れた後に子どもを見守る間隔を徐々に長くしていくフェルバー法などがあります。これらの方法は、睡眠の質の改善につながるとされていますが、その一方で、乳幼児期における親子の愛着関係への影響については慎重に考える必要があるという指摘もあり、現在も研究や議論が続けられています(Price et al., 2021)。

睡眠しやすい環境を整えるための工夫

乳幼児が眠りやすい環境を整えるための工夫は、次のとおりです。

  1. 就寝前にリラックスできる時間を設け、毎日ほぼ同じ流れで寝かしつけを行う
  2. ホワイトノイズなどの音を使い、周囲の生活音を和らげて落ち着いた睡眠環境をつくる
  3. 室温や寝具を調整し、快適に眠れる環境を保つ
  4. 寝室を暗くし、視覚的な刺激をできるだけ減らす
  5. 就寝前は電子機器の使用を控える
  6. 日中は体を動かす時間や自然光を浴びる機会を確保し、生活リズムを整える
  7. 安心感につながる入眠時の習慣を一定に保ち、落ち着いて眠れる状態をつくる

まとめ

乳幼児に見られる睡眠退行は、さまざまな要因が重なって生じる現象です。本レビューでは、赤ちゃんや幼児の睡眠の乱れに関わる背景や要因について整理してきました。研究からは、成長や発達の変化に加え、睡眠環境や日常の関わり方といった行動面の要素が、睡眠の質に影響を与えることが示されています。 睡眠退行は、多くの子どもが成長の過程で経験する一時的な変化であり、時間の経過とともに落ち着いていくと考えられています。そのため、保護者や養育者には、この変化を理解し、落ち着いて対応することが求められます。ただし、睡眠の問題が長期間続いたり、生活に大きな影響を及ぼす場合には、医療の専門家に相談することが重要です。

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