妊娠中は十分な休息をとることが重要ですが、妊娠後期に入ると睡眠の質が低下しやすいとされています。お腹の大きさや体調の変化により、入眠困難や中途覚醒が生じることも少なくありません。本記事では、妊娠後期にみられる不眠の主な要因を整理し、睡眠を整えるための具体的な対処法について解説します。
不眠とは?
不眠とは、寝つきにくい、あるいは途中で目が覚めてしまい再び眠れないといった状態が続く睡眠障害のひとつです。妊娠中、とくに妊娠28週頃から出産までの後期にかけては、身体的・心理的な変化が重なり、睡眠の問題が強まりやすいとされています。本記事では、妊娠後期にみられる不眠の主な原因を整理し、こうした睡眠の乱れに対処するための方法について解説します。
妊娠後期の不眠について
不眠は、深い睡眠に入りにくい、あるいは眠りを維持できない状態が続くことを指します。妊娠後期には、ホルモンバランスの変化や身体的な不快感、頻尿、不安感、胎動などが重なり、眠りにくさが生じやすくなります。これらの要因を理解することは、妊娠後期の不眠に適切に対処するための第一歩となります。
妊娠後期の不眠の原因
ホルモンバランスの変化
妊娠中はホルモンバランスが大きく変化します。とくにプロゲステロンの増加は出産に向けて体を整える働きを担いますが、その一方で睡眠と覚醒のリズムに影響を与え、眠りにくさを感じる要因となることがあります。
身体的な不快感
妊娠が進むにつれて子宮が大きくなると、周囲の臓器を圧迫し、不快感や夜間の頻尿が起こりやすくなります。また、腰痛や消化不良、足のけいれんなども加わり、楽な寝姿勢を見つけにくくなることがあります(Smyka ほか, 2020)。
妊娠後期に高まりやすい不安や緊張
妊娠期は、心身ともに大きな変化が生じる時期です。出産への不安や育児への心配、赤ちゃんの健康に対する思いなどが重なり、気持ちが落ち着かず、眠りにつきにくくなることがあります(Hashmi ほか, 1969)。
夜間の胎動による影響
妊娠が進むにつれて胎動はよりはっきりと感じられるようになり、夜間に目が覚めてしまう要因となることがあります。
妊娠中の不眠がもたらす影響
妊娠中の不眠は、心身のコンディションにさまざまな影響を及ぼします。慢性的な疲労感やいら立ち、集中力の低下、気分の変動などがみられることがあります。また、睡眠不足が続くことで、母体だけでなく胎児にとっても健康上のリスクが高まる可能性が指摘されています。
妊娠後期に休息が取りにくくなる理由

お腹が大きくなることによる身体の負担
妊娠後期になると、胎児の成長や子宮の拡大によって周囲の臓器が圧迫され、体を楽に横たえることが難しくなる場合があります。坐骨神経が圧迫されることで脚の痛みが生じ、睡眠が妨げられることもあります。また、腰や骨盤まわりの痛みも加わり、休息を取りにくくなる要因となります(Román-Gálvez ほか, 2018)。
夜間の頻尿
妊娠後期になると、夜間に何度もトイレのために目が覚めることが増えます。大きくなった子宮が膀胱を圧迫することで尿意を感じやすくなり、まとまった睡眠を維持しにくくなります。また、体勢を少し変えただけでも急に強い尿意を感じることがあり、これも睡眠を中断させる要因となります(Reichner, 2015)。
妊娠後期に起こりやすい胸やけ・消化不良
妊娠後期には、大きくなった子宮が胃を圧迫し、胃酸が食道へ逆流しやすくなります。その結果、胸やけ(胃酸逆流)による痛みや不快感が生じることがあります。横になることで症状が強まる場合もあり、就寝時の妨げとなることがあります(Wołyńczyk-Gmaj ほか, 2017)。さらに、妊娠中のホルモン変化によって起こる吐き気や嘔吐、消化不良も加わり、十分な睡眠を確保することがより難しくなることがあります。
むずむず脚症候群と足のけいれん
妊娠後期には、むずむず脚症候群(RLS)や足のけいれん、筋肉の痛みを伴うけい縮がみられることがあり、睡眠を妨げる要因となります(Salari ほか, 2021)。むずむず脚症候群は、脚にチクチクする感覚や虫がはうような不快感が生じ、それに伴って無意識に脚を動かしたくなる状態を特徴とします。こうした症状は、体を休めているときや就寝時に強くなる傾向があります。さらに、ふくらはぎの強いけいれんが重なると、妊婦にとって質のよい睡眠を確保することが一層難しくなります。
妊娠中の不眠が胎児の発達に与える影響
妊娠後期の不眠そのものが、直接的に赤ちゃんへ悪影響を及ぼすとは限りません。ただし、十分な睡眠が取れない状態が続くと、母体の健康に負担がかかり、その影響が間接的に赤ちゃんに及ぶ可能性はあります。
妊娠後期の不眠への対処法

就寝前の習慣を整える
就寝前に毎晩同じ流れで過ごす習慣を持つことは、妊娠後期の不眠対策として役立つことがあります。決まった行動を繰り返すことで、脳と体に「休む時間である」という合図を送りやすくなります。たとえば、ぬるめのお風呂に入る、静かに読書をする、軽いストレッチを行うといった穏やかな習慣を取り入れるのがよいでしょう。一方で、就寝前のスマートフォンやパソコンの使用、頭を強く使う活動は控えることが望ましいとされています。画面から発せられるブルーライトは覚醒を促し、眠りにくさにつながる可能性があるためです(Baglioni ほか, 2020)。
快適な睡眠環境を整える
妊娠用のクッションを活用したり、枕を追加して背中や腰、股関節を支えることで、体への負担を軽減しやすくなります。室温はやや涼しめに保ち、できるだけ暗く静かな環境を整えることが理想的です。光が気になる場合はアイマスクを使用したり、落ち着いた音を流したりするのも一つの方法です。また、体調に問題がなければ、穏やかな香りのアロマを取り入れることで、リラックスしやすくなる場合もあります。
ストレスや不安を和らげる
妊娠後期にストレスをやわらげる工夫を継続的に取り入れることは、気持ちを安定させ、眠りやすい状態を保つ助けになります。ゆったりとした深呼吸や瞑想、妊婦向けヨガなどは、心身の緊張をほぐす方法として取り入れやすいものです。不安が強い場合には、カウンセリングを受けたり、同じ立場の人と話せるサポートグループを活用したりすることも検討できます。
適度な運動を習慣にする
妊娠中は、散歩や水泳、妊婦向けヨガなど、体への負担が少ない運動が勧められています(Kalmbach ほか, 2019)。こうした適度な運動は心身の緊張を和らげ、夜に自然な眠気を感じやすくする助けになります。ただし、強度の高い運動を始める場合には、必ず事前に医師へ相談することが大切です。
バランスのよい食事を心がける
睡眠の質を整えるためにも、栄養バランスの取れた食事を意識することが大切です。就寝前に量の多い食事をとると、胸やけや胃の不快感につながることがあるため、控えめにするとよいでしょう。空腹が気になる場合は、軽めで消化に負担の少ない間食を選ぶのがおすすめです。また、夜間の頻尿を防ぐために、夕方以降の水分摂取は取りすぎないよう心がけることも一つの工夫です。
カフェインなどの刺激物を避ける
カフェインを含むコーヒーや紅茶、エナジードリンクなどは、特に午後遅くから夜にかけては控えることが望ましいとされています。また、ニコチンにも覚醒作用があるため注意が必要です(Reichner, 2015)。
リラクゼーション法を取り入れる
就寝前には、深呼吸やイメージ誘導、穏やかな音楽などを取り入れて、心身を落ち着かせる時間を持つとよいでしょう。脳波のリズムに働きかけるとされるモノラルビートのようなサウンドを活用することで、深い睡眠に入りやすい状態づくりをサポートする方法もあります。
医療従事者に相談
不眠が長く続いている場合や、日常生活に著しい支障が生じている場合には、医療機関へ相談することが望まれます。必要に応じて、医療従事者がより専門的な助言を行い、背景にある要因を評価したうえで、臨床的に有効性が確認された睡眠補助法や治療法を提案することがあります。
医師に相談すべきタイミング
妊娠中に睡眠トラブルが起こることは珍しくありませんが、症状が重い場合には専門家のサポートが必要です。医療従事者は、母体と赤ちゃんの健康を守るために支援する存在です。以下のような状況が見られる場合は、医療機関への相談を検討してください。
- 不眠が日常生活に深刻な支障を及ぼしている場合
- 日中に過度の眠気を感じる場合
- 不安や抑うつの症状がみられる場合
- むずむず脚症候群(RLS)が疑われる症状がある場合
- 胎動が通常と異なる、または強すぎる・弱すぎるなど気になる変化がある場合
まとめ
妊娠後期は、多くの妊婦が睡眠の問題を訴える時期とされています。困難を伴うこともありますが、原因を把握し、適切な対処法を取り入れることで、睡眠の質や全体的な健康状態の改善が期待できます。
この大切な時期には、より健やかな妊娠生活のためにも、睡眠を優先することが重要です。
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